『絆』を読む。
今の自分だからこそ
出逢える言葉や本があるんだなぁと思った話。
去年なら聞き流していただろう言葉が、今の自分にはぐんぐん染み入ってくる。
尊敬する女性の一人に、
シャンソン歌手の加藤登紀子さんがいる。
活動家としての姿勢に憧れて
著者を数冊持っていたのだけど、
妊娠、出産中に時間があったので、
夫婦の往復書簡をまとめた『絆』を読んだ。
それがまさに、
獄中結婚を経て妊娠出産、
女性として大きく開花する時期。
旦那さま宛の超プライベートな書簡には、
母親一年生の加藤登紀子が紡ぐ、
みずみずしい言葉が並ぶ。
あぁ
国民的シャンソン歌手も、
一人の女性だったんだ。
母になる不安も、
出産の痛みも、
寝顔を眺める喜びも、
授乳も、オムツ替えも…
一つ一つの言葉の隙間に
息づかいを感じる。
畏れ多くも、妙に親近感が沸いた。
勝手に著名人と自分の間に優劣をつけていた、今までの私。
こうして、今を生きる人と人。
出産という経験と
一冊の本を通して、
素晴らしい女性に出逢えた気がした。