実家暮らしに思うこと
8年ぶりの実家暮らし。
と言っても、まだ数日だけど。
嬉しいことは家族と囲む食卓、何かあったときに家族がいる/自分も近くにいられるという安心感、裏の小さな畑…。
一方で家族一緒にいると、色んなことがある。共生って響きは素敵だけど、そんな優しいものじゃない。
日常のいたるところに戦争の種は落ちている。
部屋に人の物が置かれていたり、本を読んでいるときにお風呂入りなさいって急かされたり、小言や文句を言われたり、自分の空間や時間や心のペースを乱される可能性があるということ。家で夕飯を用意していたのに連絡なく外食してきてしまったり、勝手に家のものを使ったり…私の失礼無礼も数え切れない。
職場では割り切れることが生活空間では難しい。大切であればあるほど、一生懸命であればあるほど、近い関係であればあるほど、許せなくなるものみたい。親しい仲にも礼儀ありって格言になるだけある。
怒られたり呆れられたりすることが一番苦手な小心者の私は、言い訳したり人のせいにしたり、挙げ句の果てには一人暮らしの方が楽でいい、なんて思ったりする。
団欒があったりケンカがあったりの家族との生活と、怒る人もいなければ一緒に笑う人もいない一人暮らしと。
三年間の社会人生活を経て、私は前者をとった。
確かに後者が楽チンだったけど、色々なものに向き合えていない気がした。それは私のことであると同時に、今の日本が抱えているものじゃないかと思う。
一つはコミュニティの問題。地域社会の崩壊とか、希薄な人間関係とか言われるけど、一方でパラサイトシングルって言葉もある。どちらも社会問題とされるけれど、結局私たち一人一人の捉え方と選択次第じゃないかなぁ。経済自立も大切だけど、家族一緒に暮らして支え合ってるなら実家暮らしが理想だと思う。病気になった時、辛い時、そばにいる家族ほど心強いものはない。
それから、環境面。一人に一つ世帯があったら地球の資源はもたない。一億台の冷蔵庫、一億台のエアコン、一億台のテレビ…考えただけで恐ろしい。それを支えるためにどれだけ原発が必要になることか。
そして私の場合、土に近い生活を考えたら、マンション住まいよりも畑のある祖父母の田舎が理想の住環境だった。ちなみに伊勢の実家は住宅地。それぞれの地の利点を生かしながら自分にあったライフスタイルを築ければいいと思う。
そんなことで、日々の些細な出来事にイライラするより、暮らしから世界平和を目指すんだー!なんて偉そうに言ってみようと思った小心者でした。