minashimaその①
なぜ「みなしま」なのかということについて、少しずつお話ししたいと思う。
私の出身は、三重県度会郡の、今は無き南島町(なんとうちょう)慥柄浦(たしからうら)という。
海と山に囲まれた集落で、わかめやらひじきやらいろいろな海産物に恵まれている。リアス式海岸だから、眺めは最高。気候も温暖で、人もやさしくて・・・
だけど暮らしやすいとは絶対言えない地域だ。
なんせ、超少子高齢化の最先端を行っている、いわば限界集落だ。
人口総数204人、103世帯。
年齢別人口
15歳未満 - 男: 5 人 女: 5 人
15~64歳 - 男: 29 人 女: 43 人
65歳以上 - 男: 49 人 女: 73 人
http://toukei-labo.com/2010/?tdfk=24&city=24472&id=33
周りの集落はまだ人がいるにしても、やっぱり行政が考えることとしては・・・
悲しいけれど、2005年に南島町はお隣の南勢町と合併して、南伊勢町になりました。
思い出話をすると、昔、おばあちゃんから「南島産わかめ」という渋いパッケージのわかめをよくもらった。南の島=ビーチやトロピカルフルーツのイメージだった、若かりし頃の私は、おいしいわかめを笑いものにしたものでした。そんな名前は南国に対して失礼だ、などと、今思えば失礼極まりない感想を持っていたのでする。しかも私の故郷は固有名詞なのだから、一般的に南国やら南の島やらいわれているところはわけが違う。
と、思い出せば懐かしい南島町。
笑いものにしていたけれど、私はこの名前が大好きなのでした。
だけど、もうないのです。南島町という名前が。
南勢町が大好きだった人もいただろうに。
何が、南島町を変えてしまったのか。
昔はあったJAの店が閉じて、今や買い物難民になってしまったおばあちゃんたち。
廃校廃校で子どもが学ぶ土台がなくなって、この地域で子どもを育てることをあきらめたお母さんたち。
働く場所もない。モノを売っても買う人がいない。
10年後、私の好きな元南島町、慥柄浦地域はどうなっているのだろう。
昔のように人がたくさんいる集落には戻せないかもしれないけれど、今住んでいる人たちが、少しでも心軽くいられるように、自分ができることはないか考えてみたい。できることをやってみたい。
そんな思いでminashimaの名前を使わせてもらうことにしました。