私たちが大切にするべきものは何だろう? 大切にするってどういうこと? 日々を綴る中で、片鱗に触れられたら幸せです。

みなしまと原発に思うこと

みなしまは、原発を止めた町です。放射能汚染から海を守りました。それが先人の並々ならぬ努力による成果であることは、本当に尊敬しています。


だけど、みなしまに住む人の生活が平穏安泰、というわけではなかった。


祖母は、私が仕事をやめてみなしまに行こうと言ったとき、「こんな何もないとこで何もできへん」と申し訳なさそうに言いました。


人々は、闘争に勝ったわけではなかった。敵は推進派でも、電力会社でもないと思いました。


原発を推進していた人たちは、放射能を歓迎しているわけではなく、周辺住民を困らせたいわけではなく、廃れゆく地域を活気づけたい、働く場を確保したいと思って支持したのです。


原発が来る前からずっと、人々は生活基盤を、未来を失い続けているのです。


表面的には原発問題でしたが、根っこにあるのは人の生活を蔑ろにする社会システム。

戦争も同じ。兵士たちは人が憎くて殺すのではなく、追い詰められるのです、何者かによって。市民を殺めた人が手に入れられるものは憎しみ以外にないのです。今の時代、甘い汁を吸う人は自分の手を汚さない。


大切なのは、冷静に世の中を見つめる視点だと思います。みなしまに縁あることに誇りを持って、自分にできることを考える。あとはできることを積み重ねて行くだけですね。