私たちが大切にするべきものは何だろう? 大切にするってどういうこと? 日々を綴る中で、片鱗に触れられたら幸せです。

みなしまの海と祖母と。

祖母の住む南島町慥柄浦に行って、海を見てきました。

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芦浜原発の講演会を経て、命の海なんだ、と思って歩きました。ここに原発ができていたら、今の私とは違う体になっていたかもしれません。いろいろな思いが巡りましたが、先日の台風の影響でゴミが流れ着いたりしていて、センチメンタルな気分にはなれなかった。

祖母は、暑さにへばりながらも元気でした。買い物がてらドライブしたとき、キラキラした海を見て「やっぱり南島の海はきれいやなぁ」と言ったら、祖母はこう返しました。

「南島には人が寄りつかへんのや。(住んでいる人も)半分になった。」

私は何も言えませんでした。
南島が好きだ、元気な町にしようよと再三言っているつもりだけど、何の慰めになるだろう。昔は賑わっていた自分の町から、大切な人がどんどん離れていった。祖母の寂しさをそのまま埋めることはできないなぁと思いました。

口で言うだけでは解決にはならない。本当に心がウキウキ、ワクワクすることでしか、訴えかけられることはないなぁと感じました。

南島に心踊る時間が訪れますように!
たくさんの人が遊びに来てくれますように!
祖母が誇りを持って南島に生きられますように!


伊勢の夕食準備のために帰ると言った私に、「夕飯も食べて行けば」と祖母が声をかけました。

あ。
こういうところで、寂しさが募るのだなぁ。
寂しさで潰れないように、「皆町に住みたがる」と言って耐えるのだなぁ。

後ろ髪引かれながら、伊勢の実家に戻りました。

次は必ず泊まりで来よう。