私たちが大切にするべきものは何だろう? 大切にするってどういうこと? 日々を綴る中で、片鱗に触れられたら幸せです。

初盆と祖先崇拝

親戚のかわいいおばあちゃんが昨年亡くなり、今年初盆を迎えた。

午前中にお寺に詣って供養していただいた後、夜に海辺で線香を焚く。

海岸いっぱいに火を焚いて、灯りの廻廊ができる。
私も、海岸まで歩いていけない祖母に代わって、ジン(木切れ)と線香を抱えて、浜に来た。
石の上にジンを並べて、火をつける。海の湿気のせいか、火がつかないでもたもたしていると、これ、とお兄さんがチャッカマンを貸してくれた。
次は束の線香に火をつける。ここでも苦戦して、なかなか火がつかないでいたところを、かわいいおばあちゃんの娘さん(と言っても母より年上のおばさまだけど)が、さっと手伝ってくれた。

「はい、これでええがな、な。はい、一緒につぇってってな〜(連れていってね)」

手を動かしながら、テンポよく話した。私たちに話しているようで、たくさんのご先祖さまに話しているようで。おばあちゃんが寂しくないように、心配しなくていいように…。おばあちゃんが無事に供養されて、自分も安心してお見送りができるように…。
無数の火に照らされて、おばあちゃんはあちらの世界に歩いていく。
あぁ、こんなにたくさんのご先祖さまに守られているから、安心して生きていられるんだ。

祖母に家は何宗なん?って聞いたら、分からへんって言ってたけど、宗派がどうとか関係ないんだろうな。ただ祖先崇拝、ご先祖さまの存在が大きいんだと改めて実感した。

悪いこともいいこともみんな見ている。

そして、当たり前だけど、ご先祖さま今、自分がここにある幸せを噛みしめて…